
Best name
第2章 ピュアな世界
爪切り、耳そうじ…トリミング?
接客してるというより彼女は
ほぼほぼ知人と普通に会話してる感じだ
客側もみんな彼女を慕って
ごく自然にそれが成り立っているようだった
おしゃべり…なタイプでは
やはりなさそうだが
お客とちゃんとコミュニケーションをとって
きっちりと仕事をする
そんな一面を…しばらく見ていた
なんか…すごく尊くて
まぶしいものを見たような気がした
あのバーで見た彼女とはまるでちがう…
なんと言うか、この人らしさのようなものを。
人はそれぞれ輝ける場所や
個性・特性があって
そんな所にいられたら
生まれ変わったように
生き生きするんじゃないだろうか
世の中の多くの人間が
嫌な仕事を嫌々やったり、愚痴こぼしたり
相手と駆け引き・騙し合い…
ドロドロした醜い気持ちで
こなしてきてる事が多々あるだろう
オレ自身そういうものを知っている
大人になるって事だ、とか思ってた。
だから、自分らしい生き方…
自分らしさで働いてる目の前の子が
なんだかとても
ピュアでキレイなものに見えたんだ。本当に。
『結構忙しいんだね』
店が落ち着いた頃に彼女に話しかけた
『べつに…』
言葉少ないのも慣れてきて
構わず続けた
『仕事好きなんだ?』
『…』
自分のことは話さない…か
ミカの言ってた事を裏付けるように納得
彼女的にムダな質問には答えず
店の中の動物達を世話している
『販売は…してないの?』
『してるけど…基本、相談受けて探すだけ
メインは病院とケア』
『へぇ~…この子たちは じゃぁ』
『家族が決まってる』
『君が育てて引き渡すの?』
『…まぁ』
『寂しくない?そゆ時』
『…』
段々…ズケズケと質問攻めしてしまった
ウザがってるだろうな
少し罪悪感
『家族…いないままより
大切にしてもらえるなら…いいから』
不意を突かれた
純粋な答えが返ってきて少し焦る
『そ…だよな』
黙々と世話を続ける彼女に目をやりながらも
少しバツが悪くなった
『獣医でないって聞いたけど…看護士?
その…世話が上手だから』
シンとするのが嫌で話続けた
『私は基本ケアだけ。看護士は一人いる。
多少の手当てとか、やれなくもないこと
あるけど…医療行為は…できない』
『医者にはならないの?』
『ソウタさんいるから』
ソウタ…さっきの獣医か
接客してるというより彼女は
ほぼほぼ知人と普通に会話してる感じだ
客側もみんな彼女を慕って
ごく自然にそれが成り立っているようだった
おしゃべり…なタイプでは
やはりなさそうだが
お客とちゃんとコミュニケーションをとって
きっちりと仕事をする
そんな一面を…しばらく見ていた
なんか…すごく尊くて
まぶしいものを見たような気がした
あのバーで見た彼女とはまるでちがう…
なんと言うか、この人らしさのようなものを。
人はそれぞれ輝ける場所や
個性・特性があって
そんな所にいられたら
生まれ変わったように
生き生きするんじゃないだろうか
世の中の多くの人間が
嫌な仕事を嫌々やったり、愚痴こぼしたり
相手と駆け引き・騙し合い…
ドロドロした醜い気持ちで
こなしてきてる事が多々あるだろう
オレ自身そういうものを知っている
大人になるって事だ、とか思ってた。
だから、自分らしい生き方…
自分らしさで働いてる目の前の子が
なんだかとても
ピュアでキレイなものに見えたんだ。本当に。
『結構忙しいんだね』
店が落ち着いた頃に彼女に話しかけた
『べつに…』
言葉少ないのも慣れてきて
構わず続けた
『仕事好きなんだ?』
『…』
自分のことは話さない…か
ミカの言ってた事を裏付けるように納得
彼女的にムダな質問には答えず
店の中の動物達を世話している
『販売は…してないの?』
『してるけど…基本、相談受けて探すだけ
メインは病院とケア』
『へぇ~…この子たちは じゃぁ』
『家族が決まってる』
『君が育てて引き渡すの?』
『…まぁ』
『寂しくない?そゆ時』
『…』
段々…ズケズケと質問攻めしてしまった
ウザがってるだろうな
少し罪悪感
『家族…いないままより
大切にしてもらえるなら…いいから』
不意を突かれた
純粋な答えが返ってきて少し焦る
『そ…だよな』
黙々と世話を続ける彼女に目をやりながらも
少しバツが悪くなった
『獣医でないって聞いたけど…看護士?
その…世話が上手だから』
シンとするのが嫌で話続けた
『私は基本ケアだけ。看護士は一人いる。
多少の手当てとか、やれなくもないこと
あるけど…医療行為は…できない』
『医者にはならないの?』
『ソウタさんいるから』
ソウタ…さっきの獣医か
