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Best name

第2章 ピュアな世界

目の前の彼女云々より
オレは先程起こった様々な事を介して
彼女の人格に、ひどく関心を持っていた。

へぇ~?と感心するように。

不思議な子、が意外な子になり
様々な新しい情報が更新されていく。

仕事中の姿勢、取り組み方、向き合い方

寄せられている信頼
ゆるそうに見えてしっかりと
自分から線引きしている上司との関わり方。

そしてさっきの対応。
ミス…失態ではないのだろうが
自分に一切の言い訳をせずに、いさぎが良くて

オレの周りにいる泣き倒してミスをかいくぐる
OLとはまるでちがう。

プロ意識だろうか
彼女は患者が帰るギリギリまで平静を装って
倒れなかった。

プロ意識…責任感のつよさ

幼さの残るその顔から垣間見える沢山の彼女に

その魅力にギュウギュウと引っ張られるようだった。


『…』
『…ここ?』

アイが足を止めてオレを見上げる
小ぢんまりとした洋風カフェの前

アイがコクッとうなずく

ドアをあけようと手を伸ばす…前に
彼女がガコッっとドアを開けて入った

『あっ、アイちゃんいらっしゃい!
あれ?今日は~』

『こんにちは。後から一人』

ここでも顔なじみらしい
スタッフそろって…か。
席に着くとオレもようやく一息つけた。

『~…なんか大変だったな…?』
『…』

オレの声には応えずに
メニューを差し出してきた

『あ、ありがと。そういえばさ…お店
大丈夫なの?』

『土曜は元々1時までだから』

『そか。よかった』

先に飲み物をたのんでくつろいだ
オレのコーヒーと彼女のアイスティーが
運ばれてきた

ぎこちないが会話を続ける。
なんだろう…彼女自身は何をするワケでないが…のまれてしまう
オレは変に緊張していた。

それを知られたくなくて必死で平静を装う

『時間…よかったんですか?』

『へ…っ?』

突然切り出された
マヌケな声を出してしまった
動揺しすぎだ…!バカ。

『ソウタさん…ああだから』

……ああだから。
あのゴーインな感じだからってコトか?

『オレは平気だよ
いつも仕事おわりはここくるの?』

『…わりと』

静かに飲み物を飲む
ストローをくわえる仕草が可愛い
頬杖をついて少し遠くをみているアイ。

コトン

グラスをずらして彼女がオレの方を見た。

『あの…』
『…?』

『お願いが…あるんですけど』

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