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第3章 君の十色

ほんの一瞬の仕草が…
立ち振舞いが可愛くてドキッとする

そしてソウタさんの言葉を思い出す
オシャレ…

相変わらずのシンプルな服…
Tシャツにパンツスタイル

履いてるパンツはよく見ると
オレでも知ってる有名ブランドのものだった
デザインがオシャレで人気の…

…何かあるんだな…やっぱ

『可愛いだけじゃないんだよ動物って
頭だって良いし、素直で正直だから
絶対ウソもつかないの』

オレの脳内の事などつゆ知らず
アイルはリードを外し犬たちを走らせた

この間のようではないが
犬たちを見つめる眼差しは笑顔になっていた

『表情だってね、実は色々あっておもしろいの
○○って思ってるとか』

…それは…まるきり君に言えることな気がした

表情や少ない言葉を読み解くのが…
オレにはおもしろかった

『~似てるね(笑)』

少しからかった
こんなに自分から話す
初めて見るアイルの姿のドサクサで

『ふふ…そぅ?』

アレ…?空回った

なんで嬉しそうなんだコイツ?

犬に…
ブルドッグに似てるって言ったんだぞ?オレ(笑)

天然か?

…いや、単に嬉しいんだ…きっと

『?』
『なげるの』

アイルにボールを渡された
犬の名前を呼んで遠くに投げる

マネして例のルナに投げてみた
…ものすごく遠くへとんだ
ルナは一生懸命走って追いかける

『あ…ヤベっ!』
『…』

アイルがじっとオレを見上げた

『とぶね…?』
『ぁ~…バレーやってた…』

肩を回しながら言う

『だから背大きいんだ?…どうやるの?』

珍しい…興味を向けてくる

『…こーやって~…肩と手首を使って~』

身振り手振りして軽く投げる

『バレーボールやると肩つよくなるの?』
『ん…まぁ。球技は色々やった
バスケとか野球とか』

犬たちが次々に帰ってくる

『褒めてあげるの』

ワシワシとアイルが犬をなでて褒めちぎる

オレは
オレをジャッジしたルナを…
別の意味だったが
うんと褒めてなでまくった

サンキュー ルナ!
サンキュー!!!

帰り道、思いきってアイルに聞いた。

『ねぇ…休みの日って何してるの?』
『…?…。休んでる』

こりゃまた…

『プッ…』
『…?』

〃おかしい?〃と聞いてる顔

『いや…ごめん。違うんだ
そりゃそうだよな!』

少し…ぬけたような所が最近見えてきて
おもしろい

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