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Best name

第1章 舞い降りた君

ツウショウ?
と、疑問符が浮かぶと同時に

アイの
ずっと無表情だった顔が
一瞬きつくなったのをオレは見逃さなかった。


『本名呼ぶと怒るのこの子~。
キラキラだからね~♪アイは』



キラキラ…?

キラキラネームってやつか。
まぁ年齢的になんも不思議じゃないか…


『ミカっ…』


ようやくその声を聞いた。

ベタベタっとしない…スーっとした声。


『時間だから』


言葉少なくミカに言い放つ。
ママのミカに随分だな…。大丈夫か?



~冷てぇ…。
ワタルが小突いたグラスの酒が
パンツにかかって不快なオレ。

ミカはちっとも気付く気配がない。


『あ~…ゴメンゴメン!おつかれ』


ミカの一言をようやく聞けて
くるりと背を向けてアイは立ち去った。

カウンターを抜けるときに
コスプレの?耳をバサッと外しながら。



『ごめんなさいね!アイソのない子で!』

ミカがオレに謝る。
上目遣いで少し舌を出して。


『クス…いや…かまわないさ。ゴメンね、ツレが』


ベロベロのワタルを差してミカに謝る。

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