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第4章 告白

……。

は…?


ゼンカモノ?


オレの脳内は一時停止する
言葉の意味がわからないかのように。


『~…何……言ってんだか。
…ゆっくり休めよ?またな』


なんとか顔は笑ってたと思う

オレはアイルの返事を待たずにドアを閉めた。


脳がボヤ~~っと音を立てるように
呆然としながら歩く
止まった頭を回転させながら。

ゼンカ…ぜんか…前科

アイルがつまらないウソなんか言わないことは
オレにもわかっている

そして、それが本当だとして…
今日の事とどう関係があるんだ?

あんな…突然に
オレは彼女に何をしてしまったんだろう…

答えは一向に出ない

まだ昼過ぎだ
オレの手は勝手にソウタさんに電話してた。


病院裏の自宅にあげてもらう。
グラスとビールを持ってソウタさんが
椅子に腰掛ける

『飲むか…?』
『…いえ…』

『…何があった?アイルと…』

オレを見て
何かあったことにはすぐに気付き
ダイレクトに聞いてくる

アイルの…告白は置いておいて

オレはアイルが過呼吸を起こしたことを伝えた

『…そぅ…かぁーー…』

ソウタさんが少し参ったように
頭をかきながらため息をつき
オレに状況の説明を求めた

『ずっと…落ち着いてたからな
特に最近は、オレもすっかり忘れるくらい
…出てきちまったか~…』

そして教えてくれた

"パニック障害"
"PTSD"

突然気分が悪くなったり
人混みで…それこそ過呼吸を起こしたり

ある一定の事でフラッシュバックを起こしたり
することがあるのだとか

ソウタさんは時々
アイルを連れて心療内科に行っていることを
話してくれた

それはわかったとして…
オレにはわからないことだらけだった

だとして何故?
何が原因で…


そして、あの告白…


『ソータさん…俺…』

『リョウキ、気にするなよ?
お前のせいじゃない、絶対に』

力強く言われた

『…アイルは…薬もってなかったか?』

『薬?…はい。飲んでなかったし、持っても…』


『そうか…。余程安心してたんだろうな
このところずっと』

『…安心…』


『…ところで…服見てただけだって?
人混みだったりとか?』

『…はい。~…別に、差ほど人が多くは
オレが手にとった服見せた時…急に』


『…どんな服だ?』
『え?…と…』

少し困惑してる記憶を振り返る

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