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Best name

第32章 最高の名前

『急じゃねぇさ・・・。

今日の事があったから・・・でもねぇぞ』





アイルの不安を

残らず全て拭うように

語るソウタさん。





『俺ぁなァ・・・いつか

そういう日が来たらってナァ…
前々から思ってたんだよ

もちろん…お前が望めば、だがな』




『ぇ・・・・・』






『フフっ・・・あ~それにアレだぁ…。

〃婿殿〃の~・・・かねてからの

願いでも・・・・・あったモンだからよぉ?』





ソウタさんが

オレの方をくるっと向いて

ニカッと笑う。





・・・ニヤニヤ…?





って・・・?





アレ・・・・。




『ぇ・・・りょおき…?…が?』



『え…?あ~・・・ぁ、オレ?』







ベロベロに

酔っぱらっていたが・・・覚えている。





いつかの・・・その昔

ソウタさんと

酒を飲んでいたときのこと…。






〃オレは・・・育ての親から

アイルをもらいたい・・・〃






確かに・・・そう言った。


(思い出すとチョット恥ずかしいぜ)





あれを・・・ソウタさんが



ちゃんと・・・・・まともに聞いていて



それを覚えててくれたなんて…。







こんな日が・・・来るなんて。






『フフっ・・・♪

まァ…そういう事だアイル~?』





『~~っっ・・・』




ボフッ・・・と

アイルがソウタさんの
広い胸に飛び込んで泣き出した

大きな声で・・・。





ソウタさんが耳を赤くして

一瞬戸惑いつつも

そっとアイルをだきしめ

再び背中をさすっていた。



『アイル・・・~もう

何に遠慮する事も
不安も・・・怯えるコトもねぇ…。

なぁ~んの心配もいらねぇ…。

自分の幸せを・・・
それだけを考えろよォ・・・?』





『そぉたさん・・・・・・』




オレは、いつの間にか

その二人の隣…

ソウタさんと…アイルをはさむように

トナリに座っていた。




三人で・・・笑っていた。






ソウタさん・・・ありがとうございます。





『好きにしろって…言われたし?

好きにさせてもらうけど…?

いいだろ?…アイル♪』




『リョウキ・・・』





これを機に…


大きな変化が訪れることになったのだ。

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