テキストサイズ

Best name

第32章 最高の名前

【深い傷】






後日…日にちをずらして無事に
アイルの父親に会う事がかなった




省きすぎ・・・?




ついでみたくなってしまってるが…




言ってしまえば

母親がキョーレツ過ぎて…

父親の方は
めちゃくちゃ…フツーの人に

ごくごくフツーの親に
見えてしまったから…。





しかし、その日がくるまで
アイルはひどく怯えていた


無理もないが…。



〃同じことが起こるのではないか〃…と
完全に情緒不安になってしまって

食事もあまり摂れず

家に居るときは自室に
閉じこもりがちになってしまっていた。



夜も自分の部屋に籠って
先に寝てしまうアイルは…




夢にうなされて

夜中に起きては大泣きしたり…




『アイル~…?

どうした?…夢でもみた?』





『ぅっ…うっ…っ!!うぅ…っ

知らないお家に
連れていかれる…っ。・・・うっ

出られないの…出してくれないのっ…』






……。


………。



『それは怖かったな…アイル。
もう大丈夫だよ?』



『ドアが…開かないの…っ』




夢から覚めても、夢の中状態…
アイルは怖がって泣くばかりで




『ほらアイル?ドア・・・開いたよ』



『うちに帰りたいっ…。
みんながいる所に・・・』



オレはアイルを抱き抱えて
アイルの部屋のドアを開けて見せ


そのまま自分の寝室に連れていった。



『ほら、アイル~?
帰ってきたろう?…タダイマだよ?』



『知らない人の…おうち
…っく…ぅっ…ひっく…イヤ…。
みんな…いないっ…ぅっ』






・・・なんだっていい

どんな手段でもいい

一緒に・・・寝ぼけててもいい


夢でも現実でも…どちらでも


とにかくアイルを

安心させてやりたかった



『みんないない…っ
リョウキも…っ…私…ひとりぼっち
知らない…ひと…っ』



『ん……。オレここにいるよ?
大丈夫・・・ずっといる』



一秒でも早く
アイルを悪夢から
目覚めさせてやりたかった




『私が…ワルイ子だから…っ』



『ちがう・・・。
アイルはすごく良い子だ

アイルはここにいる
どこにも…いかなくていい』







驚くとかそんなのよりも


オレは





アイルがただだだ


可哀想でたまらなかった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ