テキストサイズ

Best name

第32章 最高の名前

【数ヶ月前】




仕事から帰ったオレを出迎える

いつもの・・・アイル?




『ぁ、ごめん…オカエリっ…おつかれさま』



珍しくソファから起き上がって慌てていた。




『タダイマ(笑)…?』



『ごはんにする?お風呂・・・』



『・・・うん。メシ…』




疲れてるんだろうな


食器洗いくらいはオレがやるか…なんて

あまり気にぜす、考えずだったが…。





バン・・・っっ…。




『???』




・・・。





『・・・。~~。・・・』



炊飯器を開けた途端に
勢いよく閉めるアイル。




オイオイ・・・?




『~~。お待たせ~・・・』


『・・・。イタダキマス…』



食べ始めても

ろくに箸をつけないアイル




ガタ・・・。



『?』



終いには立ち上がるアイル。



『ごめん…お風呂、沸かしてなかった』




そう言って出て行ったアイルが…


しばらく・・・戻らない



さすがに気になってオレは後を追った。




洗面所で、アイルがうずくまっていた…。




『・・・!?アイル…っ』



『…ぅ・・・・・・・』





様子が変だと思ったら・・・やはり。



『どうした?!・・・具合、悪いんだろ?』



『ヘイキ・・・。ムコウ・・・行ってて』




明らかに平気じゃない。




『アイル・・・っ』



『なんでも・・・・・な』




『あるだろ!?

顔色・・・悪いぞ?

無理するなっていつも~…』



『大丈夫…』



『どこがだよ…!?』


『…そうじゃ…なくて

多分…病気じゃ・・・ない』




『え……?』




それは……まさか……?





『……ちょっと…キテないの…』









『…。~~~』


『明日…病院に行ってくる

ごめんね…食事中に…。

病院に行ってから話そうと…』




『一緒に・・・行くよ』










翌日、二人で近くのクリニックに行った





問診票を記入するアイルを

チラチラと見守る

緊張を隠せない様子のアイル…


それもそのはずだ


チラチラ・・・チラ



なんか…際どい質問の数々

見ちゃ・・・いけない気がするぜ




さりげに目を反らして
オレはしばらくそっぽ向いていた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ