馬と鹿の咄
第10章 やまさん、トイレに入る
【やまさん、トイレに入る】
2年ほどでしたが、やまさんと同じ店で一緒に働いてたんですよ。
その頃、やまさんは離婚して一人暮らししてまして、借金返済もあったから、生活は貧しかった。
自炊してたらしいんだけど、野菜を料理できなくて、鶏皮とか、豚肉を買っては焼いて焼き肉のたれか、ポン酢で食べる生活をしていた。
そのためかどうか知らないが、トイレが物凄く恐臭を放っていた。
トイレの消臭スプレーが、負けるんだよな。
1本買ったら、すぐに無くなる。
つまり、やまさんが入る。
自分の匂いに咳き込む。
スプレーをする。
出てくる。
次が入る。
すかさず全体に、スプレーを振り撒く。
かなり減る。
で、何本も買うともったいないからと、オーナーがマッチと灰皿を用意したんだ。
マッチに火をつけて、すぐに消すと、煙の匂いでしっかり消臭できる。ただ、これ、汲み取り式だとヤバいらしいんだよね。
で、これはいいと、やまさんがトイレに入った。
扉に5センチ四方の小さな小窓がついてるんだよ。
オレンジ色の電気がついてるから、人が入ってるかどうかがすぐわかる。
だが、その小窓が一瞬、カッと光ったんだ。
中から、前髪を少しチリチリにしたやまさんが出てきた。
爆発したか?
2年ほどでしたが、やまさんと同じ店で一緒に働いてたんですよ。
その頃、やまさんは離婚して一人暮らししてまして、借金返済もあったから、生活は貧しかった。
自炊してたらしいんだけど、野菜を料理できなくて、鶏皮とか、豚肉を買っては焼いて焼き肉のたれか、ポン酢で食べる生活をしていた。
そのためかどうか知らないが、トイレが物凄く恐臭を放っていた。
トイレの消臭スプレーが、負けるんだよな。
1本買ったら、すぐに無くなる。
つまり、やまさんが入る。
自分の匂いに咳き込む。
スプレーをする。
出てくる。
次が入る。
すかさず全体に、スプレーを振り撒く。
かなり減る。
で、何本も買うともったいないからと、オーナーがマッチと灰皿を用意したんだ。
マッチに火をつけて、すぐに消すと、煙の匂いでしっかり消臭できる。ただ、これ、汲み取り式だとヤバいらしいんだよね。
で、これはいいと、やまさんがトイレに入った。
扉に5センチ四方の小さな小窓がついてるんだよ。
オレンジ色の電気がついてるから、人が入ってるかどうかがすぐわかる。
だが、その小窓が一瞬、カッと光ったんだ。
中から、前髪を少しチリチリにしたやまさんが出てきた。
爆発したか?