テキストサイズ

アクアリウム

第2章 ダイオウグソクムシとの恋


綺麗好きの私は、その手から逃れようと身をよじった。

「うっ…!汚い手で触るなバカ者めが!!」


高田も手を洗うよう促せばいいのに、それをしない。

私は助けを求めるように目を向けるが、高田とは目が合わなかった。



「ここがお腹…」

つん、と高田の細く長い指が私の乳首を掠めた。

「あ…っ」

図らずとも、甘い声が漏れてしまった。

恥ずかしさに、子供たちに背を向ける。


「どうしたの?仕事中に」

「あっ…す、すまない…」

高田の余りの目の冷たさに、ギクリとした。

そうだ…私は仕事だと云うのに……喘いだりして…、客に尻を向けて…。


「そう…いい子だね……」

私が客の方に向き直ると、高田は褒めてくれた。

「みんな〜!ゴメンね!
グソクムシ君が恥ずかしがっちゃってさ」



「ううん!大丈夫〜」

フォローを入れてくれる高田、優しい子供たちに、少し胸が熱くなった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ