
アクアリウム
第2章 ダイオウグソクムシとの恋
私は透明な小さな水槽にいれられている。
目の前には人間の子供たちが体育座りをしていた。
水族館のお兄さんである、高田がステージ横から出てきた。
スッと通った鼻筋、切れ長の瞳に長身…と、絵に描いたような美青年の高田は、
奥に座っているママさんが黄色い悲鳴を浴びていた。
私はそれが面白くなかった。
私はこの男に、毎晩のように抱かれる。
しかし、それはただ単なる性欲の捌け口にされているだけだと…思う。
「はーい、これがグソクムシ君ですよ〜」
逞しい腕で、ひょいと私の身体を持ち上げる。
あの腕に…昨日抱かれたと思うと、ズクンと身体の奥が疼いてしまう。
待ってましたとばかりに子供たちは駆け寄り、
鼻くそをほじった手を一斉に私に向けてきた。
「わぁ〜でっかいだんごむしダァ〜!」
