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夢、魅せる。

第1章 はじめまして、主様。

髪を結い上げ、紅をさし、白粉をつけ、自分を彩る。

「…かすみ」

そう名前を呼んだのは、雑用の奏多(カナタ)だった。

「奏多!」
「…そうか」
「どうかしたの?」
「…いや。お前も、ちゃんと遊女なんだなって」
「ちょっと!何を失礼なこと…」

奏多と私は、吉原に売られてきた頃から仲が良かった。私の姉女郎__白鳥(シラトリ)と共によく行動していた。

「ちゃんと頑張れよ。お前の水揚げの相手は菊屋右衛門だ」

遊び上手らしいぞ、と言う奏多をじっと見つめる。

「ちなみに、今日からお前は『香澄』な。香るに澄むで『かすみ』」

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