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夢、魅せる。

第2章 奏多と私。

奏多は私が吉原へ来る前から吉原にいた。彼は吉原生まれなのだ。彼は私たち遊女と違って、吉原の外へ行けるのだけれど、見世で仕事をしているから滅多に外へ行かない。

私が吉原へ売られて来たのは六歳の頃。奏多と私は年が近い。因みに彼の方が一つ歳上だ。見世ができたばかりで私と年が近い者が少なかった。二人はすぐに打ち解けて、仲が良くなって…

両想い、というやつなのかもしれない。

「なぁ、かすみ」
「なに?…っん」

こうやって周りに誰もいないときは口づけを交わしたりしている。


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