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スノードロップ

第3章 好きになってくれますか?

そうして、金曜日。
ユウくんが来た。


「厳しくしてねー、ユウくん。
ユキナ危機感ないのよ~」
とママが言う。


ユウくんが、
ママの言葉に笑いながら、
部屋に入ってきて、
パタンとドアが閉まる。


ほんの一瞬、沈黙のあと

「…言ってたところ解いたか?」

とリュックを下ろしながら
ユウくんが言った。

「うん」


イスを並べてふたりきり。
解いた章を見せて、確認してもらい、
新しい課題が渡される。


ユウくんとの間には
本気で何もなかった雰囲気。

蒸し返す勇気も
なくなっていたから
ちょうどいいのかなと思った。



ユウくんから出された
課題を解いていたら、
ママが飲み物を持ってきた。

これはいつものこと。


始まってすぐに、いつも
烏龍茶を持ってきてくれていた。


「今日は緑茶なの~」
というママ。


「珍しいね」

「オレは何でもいいすよ」

「よかったー。じゃあ、ごゆっくり」

ママが出ていった。

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