
スノードロップ
第1章 告白
うそ、帰っちゃうの?…やだ!
帰ろうとしているのを追いかけたら、
ユウくんは「…雪那。」
と低い声で名前を呼んだ。
「勉強しとけな?」
「ユウく…」
「―――いとこだしさ。
ややこしくなるのは嫌なんだよ」
そんなにはっきり言われたら、
もう何も言えない。
「じゃ、また金曜な」
ドアが閉まり、
ユウくんとお母さんたちが
話しているのが聞こえた。
内容まではわからない。
でも、
わたしが告ったことなんて
ユウくんにとって
大した問題じゃなかったのはわかる…
ユウくんには一回90分、
週2で家庭教師を
してもらっている。
終わると夜の10時半。
うちとユウくんちは
同じマンションに住んでいて、
ひとつ下の階に帰って行く。
増田雪那。
とある女子高の3年生。
18歳の夏に、
生まれて初めて好きになった人に
生まれて初めての告白をして
生まれて初めて失恋した。
帰ろうとしているのを追いかけたら、
ユウくんは「…雪那。」
と低い声で名前を呼んだ。
「勉強しとけな?」
「ユウく…」
「―――いとこだしさ。
ややこしくなるのは嫌なんだよ」
そんなにはっきり言われたら、
もう何も言えない。
「じゃ、また金曜な」
ドアが閉まり、
ユウくんとお母さんたちが
話しているのが聞こえた。
内容まではわからない。
でも、
わたしが告ったことなんて
ユウくんにとって
大した問題じゃなかったのはわかる…
ユウくんには一回90分、
週2で家庭教師を
してもらっている。
終わると夜の10時半。
うちとユウくんちは
同じマンションに住んでいて、
ひとつ下の階に帰って行く。
増田雪那。
とある女子高の3年生。
18歳の夏に、
生まれて初めて好きになった人に
生まれて初めての告白をして
生まれて初めて失恋した。
