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陽姫の隣にいる少女は落ち着いた雰囲気のする美少女だった。

彼女は軽くお辞儀しながらも、思春期特有の好奇心に溢れた視線で祥吾を見詰めていた。

またその友達数名の中で鋭い視線を向けてくる男子もいた。
こちらもまた、思春期特有の敵意を隠さない視線だった。

（こいつが前にひめちゃんが言っていた、『好きな奴とかいるの？』と訊いてきた奴かな?）

圧倒的歳上ということと、陽姫は自分の彼女であるという余裕から、祥吾はその少年に微笑みかけると、彼は恥じたように視線を外した。

「じゃあね、みんな！　また明日！」

陽姫は細い脚で軽やかに駆け寄り、友達に手を振る。

腕を組んできそうな勢いに焦ったが、もちろんそんなことをするほど陽姫は軽率ではなかった。