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恋と秘密と幼なじみ

第7章 戸惑いと決心の振り子時計

「今日はうちの親が遅い日なんだけど」
「なんだけど?」

最後まで言って。
陽姫は先ほどまでの思春期丸出しの幼さを消し、真剣な眼差しで見詰めてきた。

「うちに、来ない?」
「……うん」

陽姫はこくんと頷く。
幼なじみ同士で家庭教師もしている二人がお互いの家を往き来するのは不自然ではない。
しかし二人は少し隠れるようにいそいそと家の中へと消えていった。

部屋に入るなり、二人は鞄を床に落として抱き合い、唇を求め合う。

そこにはもはや八歳の年の差などは存在していなかった。
愛し合う男女として、引き寄せ会うように密着している。

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