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恋と秘密と幼なじみ

第7章 戸惑いと決心の振り子時計

陽姫の小さな歯や舌は頼りなさを覚えるほどだった。
それでも真っ直ぐに愛を向けてくれている。
そんな彼女を守ってやれるのは自分しかいない。

(迷ってなんていられないんだ)

常識だとか法律だとか、そういうものをおろそかにするつもりではない。
それは確かに世の中が正常に回っていく為には必要なものだ。

しかしそれに縛られて、好きな人を愛することに後ろめたさを感じてはいけない。
陽姫だって不安を感じながらも、全てを預けてきてくれている。
それに答えられなければ、陽姫を愛する資格などない。

祥吾は細い彼女の身体をきつく抱き締めることで、自分の決意を示した。

「祥吾君、ちょっと苦しい……」
「あ、ごめんっ!」

強く抱き締めすぎたことに今さら気付き、慌てて腕を解いた。

「ううん……ごめん……ぎゅってされると嬉しいんだよ」

激しいキスの痕が残る口許は、幼い顔立ちに生々しいコントラストを生む。

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