恋と秘密と幼なじみ
第8章 夏の足音
「あー……暑っ……こんなに暑かったら勉強とかする気が起きないねー」
日曜日の昼過ぎ、陽姫はアイスを囓りながらうちわでパタパタと扇いでいた。
ショートパンツを穿いた脚はだらしない程度に開き、タンクトップは肩からずり落ちそうになっている。
「もう、だらしないんだから、あんたは」
陽姫の母は眉をしかめて娘をたしなめる。
倹約家の彼女はまだむやみに冷房をつけたりはしなかった。
「祥吾君もいるんだから、もう少ししゃきっとしなさい。嫌われるわよ?」
引き合いに出された祥吾は「ははは」と笑うだけで、肯定も否定もせずにあやふやに流していた。
「勉強するときは冷房つけてもいいから」
「はぁーい……」
母に指摘された陽姫は脚を揃えながら不服の籠もる返事をした。
日曜日の昼過ぎ、陽姫はアイスを囓りながらうちわでパタパタと扇いでいた。
ショートパンツを穿いた脚はだらしない程度に開き、タンクトップは肩からずり落ちそうになっている。
「もう、だらしないんだから、あんたは」
陽姫の母は眉をしかめて娘をたしなめる。
倹約家の彼女はまだむやみに冷房をつけたりはしなかった。
「祥吾君もいるんだから、もう少ししゃきっとしなさい。嫌われるわよ?」
引き合いに出された祥吾は「ははは」と笑うだけで、肯定も否定もせずにあやふやに流していた。
「勉強するときは冷房つけてもいいから」
「はぁーい……」
母に指摘された陽姫は脚を揃えながら不服の籠もる返事をした。