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恋と秘密と幼なじみ

第8章 夏の足音

ようやく勉強から解放された頃には四時を回っていた。

「あー……なんか1日を無駄にした気分」

首を回しながら肩を揉み、恨みの一言を述べる。

「勉強したんだから無駄じゃないだろ?」

祥吾は運んで貰ったお茶を飲みながら静かに答えた。

「せっかく休みで二人でいるのに」
「リビングにはおじさんもおばさんもいただろ?」
「でも今は買い物でいないよ-?」

悪そうに笑いながら祥吾の脚に自分の脚を絡める。

「すぐ帰ってくるし」
「日曜の買い出しは一時間くらい戻ってこないよ」
「だーめ」
「けち!」

あくまで冷静な彼氏が悔しくて、そのほっぺたにキスをした。

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