恋と秘密と幼なじみ
第8章 夏の足音
「そうだ、祥吾君。お祭り、一緒に行こうね」
「お祭り?」
「ほらあるでしょ、港のところで」
「ああ……あれか」
彼らの住む街から少し離れた商業港では毎年初夏の頃に祭をしている。
祭と言っても御神輿が出たりするものではなく、開港を祝う近代的なお祭りであった。
「いいね。来週だっけ?」
「うん。ママも私と祥吾君だけで行っていいって言ってた」
「えっ? もう訊いたんだ?」
「そだよ」
祥吾は少し思案する顔になる。
「大丈夫だって! 別にママも勘繰るような感じはなかったし!」
「そっか……」
陽姫の説明に少しは納得したみたいだったが、それでも彼の顔はあまり明るくはない。
「心配しすぎ! だいたい祥吾君はママからもパパからも信頼あるから平気だって!」
「お祭り?」
「ほらあるでしょ、港のところで」
「ああ……あれか」
彼らの住む街から少し離れた商業港では毎年初夏の頃に祭をしている。
祭と言っても御神輿が出たりするものではなく、開港を祝う近代的なお祭りであった。
「いいね。来週だっけ?」
「うん。ママも私と祥吾君だけで行っていいって言ってた」
「えっ? もう訊いたんだ?」
「そだよ」
祥吾は少し思案する顔になる。
「大丈夫だって! 別にママも勘繰るような感じはなかったし!」
「そっか……」
陽姫の説明に少しは納得したみたいだったが、それでも彼の顔はあまり明るくはない。
「心配しすぎ! だいたい祥吾君はママからもパパからも信頼あるから平気だって!」