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恋と秘密と幼なじみ

第8章 夏の足音

「気持ちいいに決まってるだろ? ぎゅうっっーて柔らかいひめちゃんに包まれて、幸せだよ」
「なんか……ごめんなさい」
「謝るか、普通?」
「だってっ……」

不服そうに唇を尖らせたら、それを祥吾が優しくキスで潰してくれる。

「ひめちゃんの、人生でたった一回の処女を貰ったんだよ? これ以上に嬉しいことがあるかよ」
「うん……はじめてが祥吾君でよかった……」

何度しても飽きることない口づけを交わし、痛くなるほど舌を絡め合った。

「なんか俺も焦っちゃってごめんな」
「焦る?」
「ほら、祭りで会っただろ、あの鬼澤君と」
「ああ……会ったね」

既に彼女の中では忘れかけていたどうでもいいことだったが、祥吾にとってはそうじゃなかったようだ。

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