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恋と秘密と幼なじみ

第8章 夏の足音

初夏の熱気が増し、部屋の温度が上がる。
しかしエアコンをつけるために離れてしまうのが嫌で、二人とも暑さのことは口に出さなかった。

「大学生の女の子って……綺麗なんでしょ?」
「別にそんなことないって」
「なんか不安……」
「俺はひめちゃん以外の女とか興味ないから」
「なーんか怪しいよなぁ……」

本当は少しも疑っていないが、照れ臭くて冗談で茶化した。
しかし祥吾は半分信じたのか、少しむきになる。

「疑うなよ、本当だから」
「あっ……痛っ……」

動かれた瞬間に忘れかけていた痛みが走った。

「ごめんっ! 大丈夫?」
「平気へいき」
「もう抜くね」
「えー? もう?」
「馴染ませたら充分だから、今日のところは」

そう言うと腰を引き、彼女の中から祥吾が消えていった。

「んっ……」

痛みの中にほんのりと気持ちよさが滲み、陽姫は繭を歪めて吐息を漏らした。

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