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恋と秘密と幼なじみ

第10章 夏の暑さと映画デート

「へぇー? 何、どんな話? こわいな」

笑いながらそっと手を握り返してくる。

手を握ってるのを見られても言い逃れは出来るが、勘の鋭い陽姫の母ならそんな言い訳などすぐに看過されてしまう可能性が高い。

危険なことだと思いつつも、無謀な冒険心で繋いだ手を離せなかった。

「おばさんこのお菓子大好きなのっ!」

本心で喜んでいる様子でそう言いながら戻ってくる。

二人は自然な感じに手を離し、祥吾は何食わぬ顔で「そうなんですか」と笑った。

すぐに自然に装えるのを見て、やはり祥吾は大人なんだなと感心してしまう。

陽姫の心拍数は手を握ったことで、まだばくばくと上がったままだった。

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