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恋と秘密と幼なじみ

第10章 夏の暑さと映画デート

「祥吾君も本当に立派になったねぇ」
「いや、そんなことは」
「やっぱり響子ちゃんの教育がよかったのかしら」

陽姫の母は懐かしそうにめを細めて頷いた。
日頃あまり子供たちの前でその話題になることはないが、祥吾の母と陽姫の母は小中学校の同級生だった。

高校からは別だったが、近所ということもあり、交友は続いていたようであった。
つまり祥吾と陽姫の幼なじみは、いわば二代目の幼なじみということである。

「ひめちゃんの方が俺の中学時代よりずっとしっかりしてますよ」

祥吾は照れたように陽姫をたてる。

「そお? 陽姫は子供っぽいし、しっかりしてないし全然だけどなー」
「ママ似ですから」

ずけずけという母に陽姫は一撃カウンターを食らわせ、ツンッとそっぽを向いた。

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