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恋と秘密と幼なじみ

第10章 夏の暑さと映画デート

「あら、もうこんな時間」

お茶をしていた母は時計を見て慌てる。

平日だが休みの彼女は髪を切りに行って友達とお茶して買い物に行くという過密スケジュールが詰まっていた。

「お土産ありがとう祥吾君。お父さんにもよろしくね」

鏡を見て髪型を気にしながらそう言った。

「ママ、髪切りに行くのに髪型気にしてもしゃーなくない?」
「美容院までに誰かに会うかもしれないでしょ?」

鞄の中身を確認し、そこに財布と携帯を入れながら笑う。

「バタバタしちゃってごめんね祥吾君。ゆっくりしていって」
「あ、こっちこそすいません」

本当に慌ただしく動く母にあわせて、二人は玄関まで見送る。

「でも二人とも。夏休みだからって羽伸ばしすぎないようにね!」

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