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恋と秘密と幼なじみ

第10章 夏の暑さと映画デート

「あー……ママって天然な感じだけど、時おり鋭い感じのこと言うよねー。でも大丈夫。さっき祥吾君の話をしていたときも全然私たちのこと気付いてないっぽかったし」
「んー……どうかなぁ……」
「天然っぽくて鋭いようで、やっぱり天然っていうのがうちのママだよ」
「そう……だといいんだけど……」

煮え切らない様子で祥吾は頷く。
用心深いのは二人の愛を大切にしてくれている証だということは分かるが、臆病過ぎるようにも感じて、少し物足りない。

「じゃあ私たちもぶらっと出掛けようか?」
「どこに?」
「わたし観たい映画があるの」
「プリキュア?」
「もうっ! そんなの観ません! 嫌い!」

ぱちんっと腕を叩く。
時おりこんな風に子供扱いした冗談を言うけど、それも陽姫の不満の一つだった。

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