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恋と秘密と幼なじみ

第3章 発育のお手伝い

日中は祥吾しかいないことは陽姫も知っている。
そのせいなのか祥吾の部屋ではなくリビングに直行し、ソファーに飛び込むように座った。
その子供っぽさを見ると、あの時の女を感じさせた行動が幻だったかのように思える。

「んーっ……疲れたぁ」

猫を彷彿させるように両手両脚を使って大きく伸びをした。
短めのスカートからは惜しげなく太ももが見えてしまっている。

思わず視線がそこに向いてしまっていたことを恥じ、目を逸らす。彼は冷蔵庫からお茶を出して間を繋いだ。

「ありがと」と笑って少女は喉を鳴らしてそれを飲み干す。

「今日は早かったんだな?」

時刻はまだ三時過ぎで学校が終わる時間ではなかった。

「今日は学校行事で終わるのが早かったの」
「そっか」

先日のことが生々しく脳裏を過ぎる祥吾の会話はぎこちない。しかし陽姫の方はまるで何もなかったかのようにいつも通りだった。

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