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家庭教師の時間は割り切ってむしろお互い勉強に集中出来た。

そして運命の時が、やって来た。

勉強を終えて二人は寄り添うように両家の親が待つリビングへと向かった。

二人がやってくると四人の目が一斉にこちらを向く。

口許をニマニマと緩めてにやける祥吾の母、その隣で厳しい視線を突き刺してくる祥吾の父。

陽姫の母は「麦茶でいい？」と訊きながら席を立つ。
そして陽姫の父は気弱そうに眉を歪めた笑い顔で娘を見ていた。

「まず俺の方からお話がありますっ」

祥吾は何も言われる前からそう言って陽姫の父の顔を見詰めた。

相手の出方を伺いながら話を進めるのではなく、先にこちらから言ってしまおう。
そう決めていた。

「なんだい、祥吾君？」

陽姫の父は作ったような笑顔で祥吾を見詰め返す。