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恋と秘密と幼なじみ

第14章 エピローグ

「そりゃそうかも知んないけど。でも運命を感じたとか、そういうの、なかったわけ?」

ふざけて言ってるだけだったが、何だか少しむきになってしまう。

「そりゃ、まあ……赤ちゃんの時からひめちゃんは可愛かったから……可愛い女の子になるんだろうなとは思ってた」

「怪しい……テキトー言ってない?」

「そんなに突っかかるなよ!」

「ごめん」

祥吾の手が陽姫の手を包むように握ってくる。

「昔がどうとかより……これからの方が大切だろ?」

「ん。そうだね」

ゆっくりと祥吾の顔が近付いてくる。

いつ見ても安心できて、大好きな、祥吾の優しい笑顔。

あとわずかでその唇が重なる。

「はいそこまで!」

陽姫は手のひらでその顔を押し返した。

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