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恋と秘密と幼なじみ

第1章 ご褒美のお願い

「あー、もうやる気なくした……」

べたーっとだらしなく机に突っ伏す陽姫。
昔から纏わり付くように甘えてくる彼女に祥吾も弱かった。

もちろん彼にはロリコンの趣味はなく、陽姫をそういう目で見たことはない。言うなれば妹のような可愛さを感じていた。

「そんなもん見て、どうするんだよ」
「興味あるもん。どんな風になってるのか」
「興味あるって……大人になればいくらでも見る機会あるから」

もはや彼も家庭教師の仮面を外し、『お兄ちゃん』の顔で諭す。

「今見たいのっ、わたしは!」

普段はしっかりしている陽姫だが、祥吾の前ではこんな駄々を捏ねることもしばしばだった。

「はぁ……」と溜め息をつき、部屋の鍵をかける。
可愛い『妹』に言われると断れないのは、彼の悪い癖だった。

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