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恋と秘密と幼なじみ

第4章 秘密の恋のはじまり

可愛いと言われて悪い気はしない。
もちろん祥吾に言われたらもっと嬉しいが。

母から貰った予算内ということもあり、陽姫はそのワンピースを買う。
買い物が終わった後は少し歩いて港までやって来た。
昼下がりの暑さがじりじりときつかったが、男子たちは気にした様子もなく広い港の公園を駆けだしていた。

「元気だね、鬼澤君達」

ほのかは呆れたように笑う。

「ほんと。暑くないのかなぁ?」

遠目で見ながら陽姫も笑った。
この場所は昔祥吾とも来たことがある。
もちろん二人きりではなく、互いの家族と一緒だったが。

街の景色は移ろいやすいものだが、この公園は昔と変わらない。
色とりどりのタイルを貼り合わせたオブジェは祥吾と二人でよじ登った思い出もある懐かしいものだ。

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