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恋と秘密と幼なじみ

第4章 秘密の恋のはじまり

祥吾は引かれながらも川辺まで歩いてきてくれた。

「お、お似合いのカップルだな!」

その姿を、ビールを冷やしていた陽姫の父がからかった。

ゴロゴロと転がる石には藻がこけており、緑色に揺れていた。
陽姫は靴を脱いで足を川に浸ける。

「わっ!? 冷たい!」

外気温など関係なく、流れる川の水は冷たかった。

「そりゃそうだろ」
「えいっ!」
「わっ!?」
「やめろって!」

陽姫は水を蹴り上げて飛沫を祥吾にかける。

父親達はお転婆な娘を見て陽気に笑った。

「とうっ!」

スカートの裾を持ち上げ、陽姫は更に飛沫を蹴り上げた。

「やめろって」
「へへー! ていっ! きゃっ!?」

苔で滑った陽姫がバランスを崩す。

「危ないっ!」

祥吾はスニーカーを履いたまま、慌てて川に踏み入れ、よろけた陽姫を支える。

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