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恋と秘密と幼なじみ

第4章 秘密の恋のはじまり

「昨日ね、クラスの友達とこの服買ってきたんだ」
「そうなんだ。よく似合ってるよ」
「友達って男子も一緒だったんだよ」
「へぇー。俺の中坊の時は女子と買い物とか行かなかったなぁ」

祥吾の口調はあくまで穏やかで、それは陽姫が期待していたリアクションとは違った。

「どんな奴?」とか「男と行くなよ」とか気にかけて貰ったり、やきもちを妬いたような反応が欲しかった。

「その中には女子から人気の鬼沢君って子もいたんだ」
「へぇ。イケメン?」

その返しもまるで自分には関係ないことのような素っ気なさだ。
それでつい陽姫も意地になってしまう。

「まあ、イケメンだと思うよ……私は別にタイプじゃないけど」

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