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恋と秘密と幼なじみ

第5章 葛藤と幸福

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「みせーじゅくな身体?」

陽姫は唇を尖らせ、聞き分けの悪い子供を過剰に演じていた。

「そう。だから恋人同士だからといってエッチなことはしちゃいけない」

首の後ろに回された陽姫の手を解きながら、祥吾は大人の対応を心掛ける。

「そんなこと言って……祥吾君、私の手の中で射精したくせに」
「ばかっ……声が大きい!」

いくら今言えに二人きりだからと言って大きな声で話す話題じゃない。

「それに今は祥吾君じゃなくて『先生』だろ」

付き合いだしてから陽姫は彼のことを『祥吾君』と呼ぶようになった。
親の前でもそう呼ぶから冷や冷やするが、陽姫の親は無礼をたしなめるだけで、二人が付き合いだしたとは夢にも思っていない様子だった。

「ねー……じゃあチューは?」

めげずに陽姫は顔をぐいっと近付けて来る。

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