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恋と秘密と幼なじみ

第5章 葛藤と幸福

二人は圧し殺してきた月日を取り戻すかのように激しく舌を絡めて求めあう。

「祥吾君、激しい……」

キスをはじめて二分。
陽姫は照れ笑いを浮かべながら顎を引いてキスを解いた。

「ひめちゃんが可愛すぎるから……」

向こうから仕掛けてきたとはいえ、それを今言うのは男として情けない。
祥吾は否が自分にあるように囁いた。

「大人のキス……しちゃったね……」
「ああ……でもキスまでだからな」
「なんで?」
「だからさっきも言ったろ? ひめちゃんの身体はまだそれを受け入れるまで成長してないんだって」

もっとしたくても歯止めはかけなくてはいけない。
焦らなくても彼女が大人になるのを待てばいい。
祥吾は自分にも言い聞かせていた。


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