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恋と秘密と幼なじみ

第6章 もう大人だよ!

「いやー……なんか暑くって」

苦し紛れの言い訳だったが、ほのかも「暑いよねぇ」と相槌を打ってくれて難を逃れた。

親友の彼女にだけは八歳年上の彼氏の話をしたかったが、祥吾に固く止められているので言えない。

もし二人の関係がバレたら絶対に仲を引き裂かれ、二度と会えない可能性だってあるときつく言われていた。

(ごめんね、ほのかちゃん……)

心の中で謝る。

「今のうちから暑いとか言ってたら夏来たら死ぬぞ」

二人の会話に割って入ってきたのは鬼澤だ。
この間の買い物の時以来話し掛けてくる率が高くなっていた。

「鬼澤君はいつも元気だねー」

ほのかは目を細めて笑う。
儚げな彼女は、確かに陽の下で元気に走り回るイメージが湧かない。

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