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恋と秘密と幼なじみ

第6章 もう大人だよ!

同級生が子供っぽく見える、なんて生意気なことを言うつもりはないが、それでも陽姫の頭の中には祥吾のことばかりだった。

「夏休みになったらさ、海とか行かね?」
「海かぁ……」

生返事をしながら陽姫の頭の中では祥吾と二人きりで海に行くことを考えていた。

その間にもクラスメイト達は何か話し合っているが、ほとんど陽姫の耳には入ってこない。

「いいなぁ……」

二人きりの浜辺でキスをすることを想像していた陽姫は思わずそう呟いた。

「よし、じゃあ決まりな!」
「へ?」

陽姫の一言で何かが決まってしまった。

「えっ、えっ!? なにが?」
「だから海水浴だよ! 任せとけって!」

どうやら鬼澤の親戚が浜辺に別荘を持ってるらしく、そこにみんなで遊びに行くことが勝手に決まってしまっていた。

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