『甘い蜜』
第24章 甘い蜜 24
「平和だなー…」
あれから生徒会長からの呼び出しは無く、俺はいつもの日々をただなんとなく過ごしていた。
これじゃあまるで呼び出されるのを期待してるみたいじゃないか…
「…ないない。」
それはあり得ないだろうと首を思いっきり振って考えていた事を拒絶した。
「あ、神埼?」
「…あ。」
急に名前を呼ばれ、立ち止まれば千崎って呼ばれていた奴が俺の横を通りすぎる所だった。
「隼人から呼び出しが無くて寂しい?」
にっこりと微笑んだ顔は男の俺から見てもキレイだと思えた。
「…別に。」
自分でもよく分からないこの感情を、この人は見透かしていそうな気がして…なんか嫌だ。