『甘い蜜』
第23章 甘い蜜 23
―隼人side―
ずっとずっと…
お前に謝りたい事があるのに。
『…あの日、俺はお前とヤってないよ。』
…この一言がどうしても伝えられない。
俺はもしかしたら怖いのかもしれない…
この一言を伝えればお前と俺との接点が無くなって、俺に近づく事も無くなってしまう事が。
「…バカだな、俺。」
「今更でしょ?」
思わず呟いたセリフに千崎が苦笑した。
「それとも無理矢理ヤって嫌われてる方が良かったのか…」
「バカだな、…そんな事間違ってもするべきじゃない。」
珍しく真面目な顔で千崎が俺を見つめ、そう言った。
俺は少しぐらい期待しても許されるのだろうか…
嘘を信じたままのお前が俺の呼び出しに来てくれる事を、嫌われていないのだと…。