テキストサイズ

『甘い蜜』

第61章 甘い蜜 61※

「俺は、お前に優しくしてやれないんだぞ…」

ホントは今だって…

お前を抱き締めてやりたいんだ。

だけど…きっとまた泣かせてしまうから、それは出来ない。

「ふ…、アンタが優しくなったら気持ちわりぃ…」

何を想像したんだ…。

泣いたり、笑ったり…忙しいヤツだな。

「アンタはそのままでいいんだよ、だから別れようとか考えんな…んな、ガラじゃねぇくせに。」

「…泣いた理由は、それか?泣き止んだ途端にヒドイ言われ様だな、俺は。」

そう言って神崎の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

「…なんだ?」

その手を神崎に掴まれ…

「…続き、しないのか、よ?」

ホントに…無自覚でやるんだから手に終えねぇ。

「…して欲しいんだ?」

「…聞く、なよっ!…っ!」

神崎にそっと不意討ちにキスをする。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ