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ACT５ アザレア〜恋の喜び〜

＊ALL Mside＊

翔と暮らし始めて約一ヶ月。

お互いが納得するまできちんと話し合う事を約束した俺たちは、ちょっとした喧嘩や嫉妬なんかは、日常茶飯事。だけど、喧嘩するほど仲が良いって言葉は本当だと思う。

毎日、色々あるけど新生活は順調で。
翔と一緒にいる幸せを、目一杯感じている。

きっと、バラ色の人生ってこういう事を言うんだろうな。

翔の大好きなグラタンを準備しながら帰りを待っていると、ガチャっと玄関が開く音がした。

翔「ただいま」

「おかえり。グラタンもう少しでできるから。ちょっと待っててね」

翔「うん」

俯いたまま返事をする翔。

ん？なんか元気ない？
また、何か悩んでる？

グラタンをオーブンに並べて、タイマーをセット。あとは、出来上がるのを待つだけなので、翔の元にむかった。

「翔、どうした？」

翔「……」

「聞いてもらうだけで、気持ちが楽になる事もあるよ。相葉くんもよく言ってるじゃん」

少し顔をあげると、「あのね…」と話し始めた翔の話に耳を傾けた。

ポツリポツリと話す翔。

話を纏めると、自分の勉強不足のせいで迷惑をかけていると陰で言っているのを聞いてしまい、落ち込んでいるようだ。

あまり弱音を吐かない翔だけに、よほど落ち込んでいるのが分かった。