はっぴぃえんど⁈
第26章 story26 すぷりんぐ☆ふらわー
「翔は、努力してると思うよ。もう少し、自分に甘くてもいいくらいだよ」
抱きしめて、頭をポンポンしてあげる。
すると、落ち込んでいた翔がクスッと笑って俺を見た。
「俺、おかしな事言った?何、笑ってるの?」
翔「こんな事、昔もあったよね…。あの時は逆だったけど」
俺が翔に頭をポンポンしてもらったのなんて…。
あっ。思い出した。
あれは、デビューしたばかりのころ。
まだ、翔くんって後を追い回してたあの頃。
初めての事に上手くいかない事ばかりで。一生懸命やってるのに、何でだろうって。
思わず仕事の弱音をはいてしまって、真面目な翔に絶対怒られるだろうって思っていたら「ちょっと頑張りすぎなんじゃない。少しくらい自分に甘くてもいいんだよ」って頭をポンポンされた。
頭ポンポンと優しい言葉に、ドキドキが止まらなかった。
それが「恋」だと気付いたのはもう少し先だけど、これが恋に落ちるきっかけだったのは間違いない。
あれから翔に、何度も恋に落ちている。
前向きに頑張っている翔
俺に微笑んでくれる翔
何でもできるのに料理が苦手な翔
ちょっとヘタレな翔
俺を頼ってくれる翔
あげたらキリがない。
翔「思い出した?」
「ああ」
翔「いつの間にか、逆になったね。慰めるより俺が慰めてもらう方が多くなった…」
俺にだけ弱さを見せてくれる翔に、また恋をする。