Baby love
第25章 ご対面。
S「だから本当だって!」
「・・・・・。」
S「改めて紹介する。
俺の運命の恋人、松本潤だ。」
「・・・・・。」
M「久しぶりにお会いするのに、
驚かせてすみません・・・」
「待ってくれ・・・頭が働かん。
俺は当然相手は女性だと・・・」
ソファに身を沈めて、黙ってしまった父さんは顔を手で覆うと
そのまま動かなくなってしまった。
「お父さん・・・大丈夫ですか。」
「大丈夫に見えるか?」
「潤くんが相手だって知らなかったなら、
何でここ最近不機嫌だったんですか。」
「・・・翔が、ちゃんと紹介しないからだ。
お前にばっかり色んな話して・・・」
S「別に母さんにも話してねぇよ。」
「嘘だ。松本くんの事だって、知ってたじゃないか。
しかも、イチャついてたって・・・
俺には呼ぶまで連れて来なかったくせに。」
何だろう。
父さんが拗ねているように見える。
いや、まさか・・・
あの堅物の父さんが・・・
「若い頃は恋人を家に連れてきた事もあっただろう。
それもこの数年は無くなった。
家に帰ってくる事も滅多に無くなっただろう。」
S「それは・・・、」
「・・・ああ、すまない。
松本くんの前で昔の恋人の話なんてするものじゃないな。」
M「あ、いえ・・・」
S「信じてくれんのか?
潤が恋人だって。」
「嘘なのか?」
S「いや、本当だよ!」
まだ片手で顔を覆っているが、父さんが潤を恋人として気遣った事に驚いた。
そもそもそんな事を気にするような人じゃないと思っていたのに。
なんだか急に元気の無くなった父さんを見て調子が狂う。
S「恋人を紹介しなくなったのは・・・
まぁ、この数年は付き合ってる人が居なかったからだけど。
その前も、紹介できるような付き合いじゃなかったんだ。」
「遊びだったのか?」
S「違う・・・いや、そうだったのかもしれない。
誰も本気で好きになんてなれなかった。
上っ面だけの恋愛が、ずっとしんどかったんだ。」
潤の手をぎゅっと握る。
遠回りしまくって、やっと手に入れた。