テキストサイズ

第5章 ハプニング

((浦田side))





今日は雑誌の撮影の日






千晃とペアで写真を撮ることになった








千晃とは付き合っているし,至近距離も緊張はしない







むしろもっと近づきたいほどだった








でも,なんとなく千晃の笑顔がひきつっていた







カ「千晃ちゃんもっと笑って!!肩の力抜いて~」






カメラマンさんにも声をかけられている








ときどき苦しそうな表情もする








疑問に思ったまま撮影を終え楽屋に戻ると








千晃の姿がなかった








浦「あれ,千晃は?」

西「ご飯炊くの忘れてたって言ってさっき帰ったよ?」

浦「ご飯は炊いたはずなんだけどな…」

宇「リーダー行ってあげたら?」

浦「うん」








明らかに不自然だ








何かがおかしい







走って家に向かうと,道路でうずくまる千晃が見えた







浦「千晃!?どうした…」

千「だいじょぶ…だか…っら…」








そんなはずがない






顔が歪んでいる







千晃の手にはスマホがあった







そこに表示されている日付を見てようやく気づく







浦「大丈夫?歩ける?」

千「ん…あるける……」





ゆっくりと立ち上がり歩き出すも,ちょこちょこ歩みを止めては苦しそうにお腹を押さえている







千「ごめんね,歩けるんだけど…」








千晃をはやく楽にさせてあげたくて,お姫様だっこで運ぶことにした







千「直くん!?重いよ…歩けるから…」

浦「大丈夫。黙って運ばれときゃいいの」








家まで連れて行き,千晃を布団に寝かせた








浦「辛い思いさせてごめん」

千「直くんのせいじゃないよ」

浦「俺らの赤ちゃん産むために耐えてくれてありがとな」







千晃の目に涙がたまっている








優しく抱きしめたまま、眠りについた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ