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第5章 ハプニング

千晃×秀太


((千晃side))





千「ねえ秀ちゃん…ごはん手伝って…」

秀「んー…まって…」

千「それ5回目…」







秀ちゃんはゲームが大好きだ


別に嫉妬しているわけでもないし


人の趣味は尊重するのがあたりまえだ








でも,全くこちらに見向きもせずゲームに熱中する秀ちゃんにはさすがに腹が立つ



…しかも女の子の日だというのに




気遣いひとつ見せない秀ちゃん





もしかしたら気づいてもいないのかもしれない






千「秀ちゃん」

秀「…」

千「ねえ、秀ちゃん…」

秀「…」

千「ねえってば!!!!」

秀「っわあ!!!!びびったー…。どうした?」

千「…もういい。ごはんも作らない。秀ちゃんのばか!!!」







思わずカッとなってしまった

体のだるさもあったので,ベッドに飛び込み布団にくるまった

((言い過ぎちゃったな…))

さっきのことが気がかりで寝れずにいると,秀ちゃんがやってきた




秀「千晃…」

千「…」

秀「ごめんな,ゲームやりすぎた」

千「…」

秀「ちゃんと話きく。ごはん手伝うからさ,食べよ?」







そういってキスしてきた


本気で女の子の日には気づいていないようだった



痛みもイライラもすでにピーク





千「秀ちゃん,ひどいよ」

秀「…え?」

千「私のこと全然わかってない」

秀「千晃のことは誰よりもわかってるつもりだけど」

千「じゃあなんでお…」







言葉を言いかけたところで口を塞がれた



温かい感触が口の中に広がる





それだけで一気に酔わされる






千「…んっ……」

秀「それ以上したら続きするけど」

千「…キスすればいいとか思ってる」

秀「思ってない」

千「だってそうじゃん」

秀「今はキスしかできないじゃん」

千「…え?」

秀「体だるいよね,自分から言ってこない千晃に甘えてた,ごめん」








秀ちゃんは,ちゃんと気づいてくれていた




あえて触れずにいてくれた




それなのに…




なんだか申し訳なくなる

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