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第11章 I4U

千晃side




競技はあっという間に進み,残すは



選抜リレー,パフォーマンス





アナウンス「1コースB組,2コースE組,3コースC組…」

西「お,まあまあいいとこ取れたんだね直也くん」

千「直也くんがんばれ〜!」





直也くんは右手でガッツポーズをしている


真ちゃんたちは校庭の反対側





先「位置について…」




パンッ!!




ピストルが鳴ったと同時に勢いよく走り出すみんな


直也くんは暫定2位




千「みんな速すぎ…緊張してきた…」

西「一周半もあって秀太が抜けないわけないんだから(笑)じゃ,俺もうスタートなんで」

千「にっしーがんばれ!!!!」


あっという間にバトンは回り,だっちゃんへ



ぐんぐんと加速し,1位の選手を抜いた

クラスからはたくさんの歓声があがっている




話をしているうちにどんどんバトンがまわっていく



先生「C組1コース!」





休む前までたくさんしたバトンパスの練習を思い出す



真「したからバトン持ってくから,手を前に振るときにバトン掴んで,スピード殺さずに走るんやで〜」





真「いけっ!」



真ちゃんの声とともに走り出し,スピードを殺さないままバトンが渡る


後ろの選手もかなり速くて,あっという間に差が縮む



もう視界の中に秀ちゃんが見える


いける…






そう思ったその時


あるはずのない小石につまづき,パス目前でダイナミックに転んでしまった



秀「千晃!!!!!」



必死に立ち上がり,涙目になりながら秀ちゃんにバトンを渡す



1位だったはずの順位も,気づけば4位




西「千晃!!秀太どんどん抜いてる!!」



涙で揺れる視界の中,必死に秀ちゃんの姿を探すと



1位の人とどんどん距離を詰めている秀ちゃんがいた




千「秀ちゃん!!!!!!!!!!」





ほんとにぎりぎりのところで1位の生徒を抜き,ゴール



安心と喜びと申し訳なさでぐちゃぐちゃだ





千「痛っ!!!!」

秀「なに泣いてんだよ(笑)」




秀ちゃんに後ろからチョップされた




千「だって…」

秀「俺が抜けないはずないんだって(笑)」

真「絶対陸上部からスカウト来るで(笑)」

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