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はしたない女の子は好きですか?

第6章 ▼制服を脱いで。


「桜橋、なんで呼ばれたか分かってるよな?」
「心当たりは……4、5こほど……」
「そのうちの1つだ。水泳の補習」
「あー、それでしたかー。想定外でした」
「想定外なわけあるか。全部授業休みやがって」

先生が軽く私の頭を小突く。
私はふてくされた顔で先生を見た。

「終業式の日の放課後でいいか? 補習」
「はい……」

私は去っていく先生の後ろ姿にあっかんべーをした。
別に先生が悪いわけじゃない。
悪い先生というわけでもない。むしろ先生の中だと人気が高い、優しくて若いかっこいい感じの先生だ。

それでも私は、先生を少し恨めしく思う。
水泳の補習なんて…。

今時水泳なんて高校生ですることないじゃん。
水泳なんてなくなっちゃえばいいのに。
水泳なんて大嫌いだ。

別に私は泳げないわけではない。
特別泳ぎがうまいわけではなが、人並みには泳ぐことが出来る。
それでも私は水泳の授業を全部休んだ。
泳ぎが嫌というか、人前で泳ぐのが嫌というか…。

とにかく水泳なんて憂鬱の種でしかない。

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