
はしたない女の子は好きですか?
第1章 ▼たまらないのはこっちだ。
私「杉原由美」は、今少し悩んでいます。
「もう遅くなったな」
「そうだね」
「じゃぁ・・・」
新さんがチラっと私の方を流し見る。
その視線に私の胸がドキンと高鳴った。
落ち着け落ち着け私、大丈夫。今日こそだ。この日のための準備は万端。下着は可愛いの選んだつもりだし、無駄毛だって念入りに処理したし、口臭が気になるようなものも食べてな・・・
「送るから帰ろうか」
え・・・。
脳内の私がスコーンとずっこける。
私は少し目をパチクリして新さんを見て、すぐにニコっと笑顔を作った。
「いつもいつも送ってもらってすみません」
「いいんだよ、オレが心配なだけだから」
頭をポンっと撫でて、私の手を取ると車の方へ向かって歩く。
また今日も・・・。
別に大切にされているのは分かっているだけど、でも、新さん。私たちもう付き合って1年以上すぎているんですよ。
私は大学2年生。あなたは社会人の24歳ですよ。
そういうことをいたすにしては、充分すぎる年齢だと想いませんか。
頭で言いたいことは沢山あるけど、そんなの簡単に言ったら「えっちしたい」ってことになってしまう。
そんなはしたないこと言えるわけなく、私は今日も清いデートに終わりをつげた。
私は助手席に座って運転する新さんの横顔を見る。
鼻筋が通っていて、目が切れ長で、やっぱりカッコいいな。喉のラインも素敵だし。ハンドルを握る手も無骨だけど優しそうで。
その手に色々触られたいと思うのはやっぱりはしたない。
