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はしたない女の子は好きですか?

第1章 ▼たまらないのはこっちだ。


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「体、つらくないか?」
「は、はい」

これがいわゆるピロートークというやつですか。
ベッドの中に裸で、新さんが腕枕をしてくれている。
なんとも言えない幸福感で、もう今死んじゃってもいいかもなんて思ってしまう。

「新さん好きです」
「オレも好きだよ」
「ふふ、好きでたまらないってやつです」

くっつける限りぎゅーっと新さんにくっつく。
肌と肌が触れ合って気持ちいい。

新さんは私の頭を優しくなでる。

「あ、でも新さん。私新さんに嘘ついてたというか、騙してたというか…」
「ん? なんだ?」
「この前友達に新さんとの馴れ初めを話してて思い出したんですけど、私、新さんにマフラー届けたじゃないですか?」
「あぁ、そうだな」
「あの時本当は、お会計の時から気づいてたんです。忘れてるの。でも、外にでたら告白するタイミングが出来るって思っちゃって………」
「ふ、はははははっ」

新さんが珍しく無邪気な顔で笑った。
私はキョトンとした顔で新さんを見る。でも新さんのほうはツボったように長々と笑っている。

「もー、なんですかさっきから」
「ごめん。本当に似た者同士だなって思って」
「え、それって…」

新さんがぐいっと腕で私を抱き寄せる。新さんの唇が髪に触れる。
さっきあんなことをしたのに、急な距離感には少しドキドキしてしまう。
新さんの唇が私の耳元に移動する。

「マフラー、オレが忘れたと思ったのか?」

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